ガンダムシリーズ(GUNDAM Series)は、日本のロボットアニメ作品『機動戦士ガンダム』に始まる続編・外伝など一連の作品群を指す。シリーズ内の各作品に関するタイトルや発表年等に関しては、ガンダムシリーズ一覧を参照。
これらは、日本と世界のサブカルチャー界に多大な影響を及ぼすこととなった。展開されたメディアは、アニメの他映画、OVA、漫画、小説、コンピューターゲーム、特撮、プラモデル等と幅広い。映像ソフト化も行われており、2009年現在、バンダイビジュアルによるガンダムシリーズ全作品のDVDとレンタルDVDがリリースしている他、ブルーレイディスクも順次発売されている。
『機動戦士ガンダム』はロボットアニメでありながら、従来の悪の組織や宇宙人と正義の味方である主人公が戦うといったヒロイックな描写を脱皮して確固とした世界観の中で国家、戦争、人物像を描き、モビルスーツと呼ばれる人型ロボット兵器はあくまで兵器のひとつ、小道具として扱われた。空想科学世界ではあるが、このようなロボット像はのちにリアルロボットと呼ばれ、以後のロボットアニメをSFの次元へ発展させることとなった。
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ガンダムシリーズには舞台となる世界(時間軸)によっていくつかの系統に分けられるが、いずれも人類が宇宙へ進出した時代の、モビルスーツの活躍する戦場を描いたものである。宇宙時代といっても外宇宙を自由に行き来するような広大な範囲ではなく、月軌道以内、遠くても木星までという、当時として考えられそうな宇宙開発を時代背景としている。
この世界観では人類の多くは地球周囲のスペースコロニーに居住し、地球圏は巨大な統一政権によって統治されている。しかし、平和は容易には保たれず様々な武装勢力が出現しては抗争を繰り返し多くの悲劇が繰り返されることになる。
これらの抗争の中で多くの子供たちが戦闘に巻き込まれ、戦士として戦うことを余儀なくされていくのが多くの作品で定番となっており、テレビシリーズはその傾向が顕著である。戦いの多くには、勧善懲悪といえるような明確な善玉も悪玉も存在しないのも特筆すべき特徴である。コロニー落としなどの残虐行為を繰り返す勢力もあるが、それと対立する側の勢力も常に道義的とは言えず、主人公でさえ過ちや未熟さによって非道な行為を行ってしまうことが珍しくない。
子供も対象にしたアニメとしての現実的な表現は、結果としてガンダムシリーズの創作者である富野由悠季の評価を大きく高めることになった。
作品数が増加するにつれ、富野以外の監督がガンダムシリーズの製作に携わっていくようになった。リアリズムの方向性やテーマ・表現方法の違いなどから、ファンの間では富野作品とは一線を画した評価がなされている。なお、ガンダムシリーズを制作した監督は、その殆どが過去に何らかのガンダム作品や冨野作品に関わった事があり、これらの作品群に関わった事のない監督は今のところ稀である。
シリーズ展開
『機動戦士ガンダム』は1年区切りで放映されるロボットアニメのひとつとして制作・放映された。子供向けの放送枠にもかかわらず上述のようにリアリズムを追求し、青年向けの作品を目指していため、視聴率や関連玩具の売り上げ等は奮わず、放送話数も当初の予定より減じられてしまうという憂き目をみる。
その後、『宇宙戦艦ヤマト』などの登場により増えつつあったアニメファンの間で、口コミにより人気がじりじりと上昇していき、再放送を経て、アニメのストーリーを3本の映画にまとめた劇場版が公開されたことで人気は一気に爆発した。
ガンダムのプラモデル、通称「ガンプラ」は、本放送終了後半年の後に第一号である「144分の1ガンダム」が発売され、当初から好調な売れ行きを示す。その後は商品のラインナップも充実、小学生から若者のファンにまで広く売れるようになり、劇中には存在しなかった(設定のみの)モビルスーツのプラモデルまでがMSVなどとして人気を博すようになった。
こうしたガンプラ人気に伴い、それを発売していたバンダイから続編を要望するアプローチが富野になされた結果、サンライズは『ガンダム』の続編である『機動戦士Ζガンダム』を製作。『ガンダム』のTV放映終了から5年後に放映され、これによってガンダムのシリーズ化は決定づけられた。小説・ゲームなどの多メディア展開も開始され、ガンダムは一大産業となった。富野の手によってさらに続編が制作されるが、次第にストーリー・テーマなどは難解化していった。
1994年からは、『機動武闘伝Gガンダム』に始まる、富野以外の監督によるいわゆるアナザーガンダムシリーズが制作された。並行して、富野制作ではないものの初代の続編となる作品をOVAで展開するという戦略があったことも人気再燃の要因の一つとしてみることができる。古今のロボットアニメが番外対決する人気ゲーム『スーパーロボット大戦シリーズ』では、本シリーズに登場するモビルスーツやキャラクターが中心的な役割を果たしている。
特色
ガンダムシリーズの特色として、以下が挙げられる。
敵・味方ともに登場人物たちはそれぞれが独特の哲学を持ち、多くの名台詞を残している。このため主要な登場人物のほとんどがそれぞれ幾ばくかの固定ファンを持っている。またそれらの名台詞をネタにした若井おさむのような「ガンダム芸人」も存在する。他の作品で台詞が引用されたり、パロディにされることも多い。白(ガンダム、ホワイトベース)、赤(シャア・アズナブル)、青(ランバ・ラル)、黒(黒い三連星)など各キャラクターのイメージカラーも強く定着しており、極端な話、既存製品をその色に塗装してマ?キングを加えた程度の、その上アニメ本編に登場しない機体でも「○○専用モデル」として成立する程である。ガンプラやキャラケーと呼ばれる携帯電話、パソコン周辺機器などでそうした製品が登場している。
モビルスーツに代表されるメカの「カッコよさ」も人気の要因である。ガンダムシリーズのメカニックデザインはその後のSFに大きな影響を与え続けている。大河原邦男、永野護、カトキハジメ、藤田一己、小林誠、出渕裕、庵野秀明、藤岡建機など多くのクリエイターがガンダムのメカニックデザインに関わったことで名を上げている。
シリアスな戦記ものとしてのガンダムが人気を誇る中で、登場モビルスーツをコミカルな二等身で描いたキャラクターシリーズ、およびそのストーリーも小学生を中心に手堅い人気があり、一時期は本家を凌ぐほどの人気があった。10?20代のガンダムファンの中には、SDガンダムからガンダムを知った者も多い。
SDガンダムの登場キャラクターやストーリーは、基本的にはガンダムシリーズとはまったく別個のものと扱われるのが通常である。だが「スーパーロボット大戦」などのゲームではガンダムシリーズのストーリーをSD描写されたモビルスーツで演出しているなど、混同しやすくなっている。
一部のガンダムファンの中にはSDガンダムはあくまで子供向け番組等と同軸であると考え、ガンダムシリーズに組み込まれることを蔑視している者も少なくない。
放送局について
TVシリーズは『機動戦士ガンダム』から、『機動新世紀ガンダムX』までのガンダムシリーズはテレビ朝日系列で放送。この期間のうち、『機動戦士ガンダムΖΖ』までは、名古屋のANN系列局である名古屋テレビの制作、『機動戦士Vガンダム』以降は系列キー局であるテレビ朝日の制作だった。
以降、『∀ガンダム』はフジテレビ系列、『機動戦士ガンダムSEED』・『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』・『機動戦士ガンダム00』はTBS系列の毎日放送の製作。『SDガンダムフォース』はテレビ東京系列で各テレビ局系列で放送されている。
各局とも時間帯は夕方4時から6時に設定されており、製作会社及びスポンサーの意向のものである。テレビ朝日系列関連に関しては1996年の放送番組編成変更により、夕方の時間帯で放送できなくなったことが原因とされる。詳しくは『機動新世紀ガンダムX』を参照。以後テレビ朝日系列で放送されたのは2000年末に放送された特番『G-SAVIOUR』の放送のみである。
社会的アニメとして捉えられているガンダムシリーズだが、ネット局やローカル局の関係から全国区でテレビ放送されたことはなかった。民放の地上波で完全な全国放送をすることは不可能である。
受信できない地域は、放送後に発売されたレンタルビデオで借りて見ることしかできなかった。近年はCS放送における専門チャンネルや、インターネット(ブロードバンド)の普及で全国何処でも見られるようになった。